地方創生「ワットビット構想」と子どもベーシックインカムをセミナーで聞いた

広告

https://www.youtube.com/watch?v=sVgRIkcHNp8

先日、細野豪志氏が主催する「郷氏の会」の政経セミナーに参加してきました。ほぼ満席の会場で、元福井県副知事・前越前市長の山田健一氏が語った地方創生の戦略は、なかなか刺激的な内容でした。今回は、セミナーで聞いた「ワットビット構想」と「子どもベーシックインカム」を中心に、その内容をレポートします。

地方が直面する「負のループ」

山田氏が最初に指摘したのは、多くの地方自治体が抱える構造的な問題です。人口が減れば税収も減り、空き家が増え、交通手段も失われていく——この負のループに多くの地方が飲み込まれています。

この悪循環を断ち切るには、何よりも「産業」が必要だといいます。その土地に働く場所がなければ、若い人たちはどんどん都市へ流出していきます。地方に人を留めるためには、地方ならではの産業を育てることが不可欠です。

注目の「ワットビット構想」とは?

では、どんな産業が地方に向いているのでしょうか。その答えとして紹介されたのが「ワットビット構想」です。

これからの時代、データセンターや半導体工場といったデジタルインフラは膨大な電力を消費します。電力(ワット)とデジタル(ビット)を組み合わせた概念が「ワットビット」です。

ここで注目されるのが福井県です。福井県には多くの原子力発電所があり、安定した大量の電力供給が可能です。しかし、その電力を大阪など遠方に送電しようとすると、途中で電力損失が生じてしまいます。それならば、電源の近くにデータセンターや半導体工場を誘致した方が、エネルギー効率の面で圧倒的に有利というわけです。

イーロン・マスクが「宇宙で太陽光発電をして、そのエネルギーでデータセンターを動かす」という構想を語っているのと、同じ発想の地上版といえるかもしれません。「発電所の隣に工場を置く」——シンプルですが、非常に合理的なアイデアです。

「子どもベーシックインカム」で少子化に対抗

地方衰退のもう一つの根本原因は、少子化です。子どもが生まれなければ、どれだけ移住者を呼び込んでも人口減少は止まりません。

そこで提案されたのが「子どもベーシックインカム」です。子どもが1人生まれるごとに、電子マネーで1,000万円を給付するというもの。ただし、そのお金は子育て目的にしか使えないよう制限がかかっています。

経済的な不安が子どもを産む障壁になっているなら、その不安を取り除けばいい——そういう発想です。1,000万円という額は大きく聞こえますが、子育てにかかる費用を考えれば、十分に現実的な金額とも言えます。

東京より地方の方が子育てに向いている?

セミナーで印象的だったのは、地方と東京の出生率の比較についての話です。地方から東京に移住した若者は、高い生活費や住宅費に圧迫され、子どもを産もうという気持ちになりにくい。一方、地方では生活コストが低く抑えられるため、子どもを産み育てやすい環境があるといいます。

つまり、地方に産業を作って雇用を生み出し、地方で生活できる環境を整えることが、少子化対策にもなり得るという視点です。人口減少・少子化・地方衰退という三つの問題が、実はひとつながりに解決できるかもしれないという話は、非常に説得力がありました。

セミナーの雰囲気とお土産

今回のセミナーは食事つきで、食後に講演を聞くというスタイルでした。お土産として、国会議員要覧(3,000円相当の分厚い議員名簿)、団体名入りのメモパッド、クリアフォルダーをいただきました。国会議員要覧は、どの議員がどんな団体と関係しているかが一覧できる資料で、こういった本の存在自体、今回初めて知りました。

地方創生という言葉はよく聞きますが、「ワットビット構想」や「子どもベーシックインカム」のような具体的な政策提案を直接聞けたのは貴重な体験でした。日本の地方が抱える課題は深刻ですが、こうした発想の転換から解決の糸口が見えてくるのかもしれません。

この記事を書いた人

有村 好人

有村 好人(よしひと)ことアリーです。
外資系IT会社を早期退社後、個人事業主になり、このブログの運営、コンサルティング業務を行なっています。
繋がる機器が大好きで、家での生活を繋がる機器でいかにスマート(快適で便利)にするかを考えています。
また、電気自動車の日産リーフで、どこまでも遠くに行きたいと思っています。