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会社を辞めて8年。働かない生活を続けていると、「結局いくらあればFIREできるんですか」とよく聞かれます。今回は、私が通っているファイナンシャルフリーカレッジのセルフ年金講座でFIREの話題が出たので、必要額の考え方を自分の実感も交えて整理してみました。
FIREの前提は「資産が減らないこと」
FIREはFinancial Independence, Retire Early、経済的自立と早期リタイアの略です。ここで大事なのは「早く辞めること」ではなく「働かずに生活が続けられること」のほうだと思っています。
資産を取り崩しながら暮らす生活は、厳密にはFIREとは呼びにくい。減り続ける資産には必ず終わりが来ますし、その後どうするのかという問題が残ったままだからです。資産から生まれる収入だけで生活費がまかなえて、資産そのものは減らない。この状態になって初めて、安心して「働かない生活」を選べます。
4%ルールはなぜ4%なのか
よく語られるのが4%ルールです。資産総額の4%以内で生活できれば、資産は目減りしない、という目安ですね。
この数字の根拠はアメリカのトリニティスタディという研究です。株式を5割程度、残りを債券といったポートフォリオを過去データで検証すると、資産収入としておおよそ7%程度が期待できる。一方でFRBのインフレ目標は2%、実際にはそれ以上になることもあります。そこで7%から3%ほどを差し引いた4%であれば、インフレを加味しても資産は残っていく、という考え方です。
生活費の25倍という目安
4%を逆から見ると、必要資産は生活費の25倍になります。1億円の4%は400万円ですから、年400万円で暮らせる人は1億円が目標額です。この「25倍」という言い方のほうが、自分の家計から逆算しやすいかもしれません。
ひと口にFIREと言っても4種類ある
ここが今回いちばん伝えたいところです。FIREにはいくつかのタイプがあり、どれを目指すかで必要額がまったく変わります。
バリスタFIRE:半分働く
生活費の半分を資産収入、残りを労働でまかなうスタイルです。年400万円の生活なら、200万円は資産から、200万円は働いて得る。4%ルールで計算すると必要資産は5000万円です。カフェのバリスタのように、収入は高くなくても好きな仕事を続けながら暮らす、というイメージからこの名前がついています。ハードルはぐっと下がります。
リーンFIRE:生活費だけをまかなう
生活費は資産収入で完全にカバーするけれど、そこまで、というタイプ。年400万円の生活費なら1億円。働かずに暮らせますが、贅沢費は含まれていません。旅行にも行かず、豪華な食事もしない前提の生活になります。正直、私にはこれだと少し寂しく感じます。
コーストFIRE:贅沢費は働いて稼ぐ
生活費は資産収入でまかない、旅行や外食といった贅沢費は労働で得るスタイルです。生活費400万円+贅沢費200万円=600万円の暮らしを、1億円の資産と年200万円の労働収入で組み立てる。リーンFIREと必要資産は同じ1億円でも、生活の彩りはかなり違ってきます。
ファットFIRE:贅沢費まで資産収入で
贅沢費も含めて、すべてを資産収入でまかなうのがファットFIREです。生活費400万円に贅沢費200万円を足した600万円が必要なら、その25倍で1億5000万円。数字は大きくなりますが、本当に働かない生活を楽しみたいなら、目指すのはここだと思っています。
4%ルールは絶対ではない
ここまで4%ルールで計算してきましたが、実際の家計はもう少し複雑です。私の場合、会社の年金がすでに入ってきていますし、昔からの物件の家賃収入もあります。
つまり、資産の取り崩しとは別の収入源がある。であれば、4%ルールで全額をまかなう必要はなく、不足分だけを資産収入で埋めればいい計算になります。年金、家賃、配当、事業収入。人によって組み合わせは違いますから、まずは自分の収入の全体像を並べてみることが先です。
まずは3つの数字を決めるところから
FIREを考えるとき、最初にやるべきなのは以下の3つをはっきりさせることだと思います。
- 自分はどのタイプのFIREを目指すのか
- 自分の生活費は年間いくら必要なのか
- FIRE後にどんな生活をしたいのか
3つ目が意外と抜け落ちがちです。毎週豪華な食事をしたい、月に一度は海外に行きたい。そうした希望には当然お金がかかりますし、その分の収入が入ってこなければ資産はどんどん減っていきます。
逆に言えば、この3つが決まれば必要な資産額は自動的に出てきます。漠然と「早くリタイアしたい」と思っているうちは目標が定まりませんが、金額まで落とし込めれば、そこから逆算した行動に移れます。8年間この生活を続けてきて、最初に数字を決めておいてよかったと感じています。