最大ドローダウン対策|下落に耐える資産配分の考え方

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会社を辞めて8年、働かずに毎日楽しく過ごしています。有村好人(アーリー)です。先日、投資のオンラインスクール「ファイナンシャルフリーカレッジ(FFC)」のセルフ年金講座に参加してきました。テーマは「最大ドローダウン」。今回はその内容と、聞きながら自分なりに考えたことをまとめておきます。

最大ドローダウンとは「どこまで下がったら耐えられないか」

最大ドローダウンとは、自分の総資産が過去にどれだけ大きく目減りしたか、その最大幅のことです。ただ、実際に考えるべきなのは数字そのものよりも「自分は何%まで下がったら我慢できなくなるのか」という自分側の限界値だと思っています。

これは人によってまったく違います。10%下がっただけで夜眠れなくなる人もいれば、20%、30%なら平気だという人もいる。半分になってもまだ大丈夫だと思える人もいます。この差は性格の問題であり、正解はありません。大事なのは、自分の限界を先に知っておくことです。

株は「上がる」のと同じくらい「下がる」

株式は上がることもありますが、それと同じくらい下がることもあります。全資産を株で持っていた場合、歴史を振り返れば40%程度の下落は何度も起きていますし、最大で見ればもっと深い下落もあります。個別株にいたっては、その会社が立ち行かなくなれば株価がゼロになることさえある。プラス面だけでなく、このマイナス面をきちんと見ておく必要があります。

いちばん怖いのは「下げきったところで手放すこと」

下落そのものより厄介なのは、下がったときに耐えられなくなって売ってしまうことです。売った後に相場が大きく戻れば、その回復の恩恵をまったく受けられません。理屈の上では、下がりきったところで買い戻せば最高です。でも現実には、それがいちばん難しい。

下落局面では誰もが悲観的になっていて、「まだ下がるのでは」という空気の中で買い増しできる人はほとんどいません。逆に言えば、その局面で自分の判断を信じて買い増しできるようになれば、株式投資はうまく回っていくのだと思います。

もちろん、資産の価値がなくなる可能性はゼロではありません。ただ、インデックスや投資信託のように過去ずっと右肩上がりで来たものについては、大きく毀損したまま消えてしまうことはないだろう、という期待の上に成り立っているのがこの投資スタイルです。S&P500などは構成銘柄の入れ替えを勝手にやってくれるので、業績の悪い企業は外れ、伸びている企業が入ってくる。個別株のようにゼロになることは考えにくい仕組みになっています。

そしてもうひとつ知っておきたいのが心理の非対称性です。人は同じ幅でも、上がったときの喜びより下がったときのショックのほうを大きく感じます。だからこそ「30%下がっても大丈夫」という覚悟を、値動きが穏やかなうちに準備しておく必要があるわけです。

下げを小さくする「アセットアロケーション」というクッション

耐える覚悟は必要ですが、精神論だけで乗り切ろうとするのは無理があります。そこで出てくるのがアセットアロケーション、つまり資産配分の考え方です。

株式は値動きが大きい資産です。一方、米国債のような格付けの高い債券は、大きく上がることはない代わりに大きく下がることも少ない。値動きの性格が違う資産を組み合わせておくと、総資産としての下げ幅を抑えることができます。株式の中でもハイテク株が伸びる時期、中小型株が伸びる時期があり、同時に下がることもあれば、そうでないこともある。そこに債券や金を混ぜておくと、全体としてのクッションになります。

私自身、これまでずっと株式、それも個別株の比率が高い状態でした。最近は債券のほうへ大きく移していますが、それでもまだ株が多い。これから少しずつ債券や金の比率を上げ、個別株も投資信託やETFといった「これまで大きく崩れたことのない資産」へ振り分けていこうと思っています。

下落時にリバランスするという発想

アセットアロケーションを組む本当の意味は、比率が崩れたときに戻す作業にあります。株が大きく下がれば、資産全体に占める株の比率は下がります。そこで株の比率を目標まで引き上げる、つまり安くなった株を買う方向に動くわけです。相場が戻れば、その分の伸びが大きく効いてきます。逆に株の比率が上がりすぎたら、取り崩すか他の資産を増やして戻す。この繰り返しで、変動を抑えながら資産全体は増やしていく、というのがアセットアロケーションの考え方です。

「売らずに済む」状態をつくる — インカムを厚くする

もうひとつ重要なのがインカム、つまり資産からの定期的な収入です。生活費が足りなくなれば、いくら理屈がわかっていても資産を売るしかありません。相場が下がっている最中に売らざるを得ないのが、いちばん避けたい状況です。

米国債であれば4%程度が固定で入ってきますし、不動産なら入居者がいる限り家賃が振り込まれます。私の場合は会社の年金もあるので、複数の収入源で最低限の生活は回せる状態です。下落している期間は無駄な出費を控えることで、株を売らずにやり過ごせる。そうすれば、戻ったときの恩恵をきちんと受け取れます。余裕があればその局面で買い増しできるのが理想ですが、そこまでできる人は多くないでしょう。

売り方と、下げでも稼ぐ選択肢

どうしても売る必要があるときも、一気にまとめて売るのではなく、チャートや相場状況を見ながら分けて売る。そういう売却のスキルも資産を守る技術のひとつです。さらに踏み込めば、下落局面で空売りによって収益を狙うトレーディングという手段もあります。上がっても下がっても利益を取りにいけるのがトレーディングで、FFCにも専用の講座が用意されています。資産全体が目減りしている局面でもキャッシュフローを作れる、という発想ですね。

配分を変えるのは、時間をかけて少しずつ

私も今まさにアセットアロケーションを変えている最中ですが、これがなかなか時間のかかる作業です。一気に組み替えると精神的な負担も大きいので、少しずつ進めるのがいいと感じています。

下落は必ずやってきます。そのときに慌てないために、いま自分の許容度を知り、配分を整え、インカムを厚くしておく。地味ですが、この準備が働かない生活を続けるための土台になっているのだと思います。

この記事を書いた人

有村 好人

有村 好人(よしひと)ことアリーです。
外資系IT会社を早期退社後、個人事業主になり、このブログの運営、コンサルティング業務を行なっています。
繋がる機器が大好きで、家での生活を繋がる機器でいかにスマート(快適で便利)にするかを考えています。
また、電気自動車の日産リーフで、どこまでも遠くに行きたいと思っています。